世の中の話題とウチの本
2012年 アトレ吉祥寺 トーク・イベント企画
●タイトル:『吉祥寺 横丁の逆襲』著者・桑原才介さん×吉祥寺「ハモニカキッチン」店主・手塚一郎さんトークショウ/●主催=アトレ吉祥寺
●司会:野口万里子様(故野口伊織氏の奥様、元アナウンサー)
●日時:2012年1月21日(土)15:00~16:00
●場所:アトレ吉祥寺ゆらぎの広場
大好評にて、無事終了いたしました。
ありがとうございました。
●トーク内容
・吉祥寺は「住みたい街ナンバーワン」とはいうものの、実は活性化が必要=「逆襲」が必要な街になっている?そこでこの本では「横丁」に注目。ここでは、その象徴ともいうべき「ハモニカ横丁」の革命児、「ハモニカキッチン」店主手塚さんにおいでいただき、本に載っていないことも伺う。
・「ハモニカ横丁」の昨日・今日・明日
・なぜ「ハモニカ横丁」だったのか
・【写真パネル】を見せながら、古い写真の定点観測~この写真の今はココ
・戦後直後のほかの「横丁」との比較~「横丁」論
・この本には、アンタッチャブル領域のことが多く出ているのも特徴 ほか
●桑原才介:1940年生まれ。早稲田大学文学部中退。外食産業の経営コンサルタント、商業ビルなどの企画開発などで活躍。著書に『飲食トレンド最前線』(商店建築社)『高感度店を創る』(世界文化社)『六本木高感度ビジネス』(洋泉社)などがある。
●手塚一郎:1947年生まれ。79年、吉祥寺で立ち上げたビデオ機材専門店が話題を呼ぶ。89年、ハモニカ横丁に「ハモニカキッチン」を開店。以降、同横丁で次々に斬新な店を展開し、注目を集めている。
※桑原氏への取材、承ります。下記杉山までご連絡ください。
●主催協力:(株)言視舎 担当:杉山尚次
03-3234-5997 FAX03-3234-5957
〒102-0071千代田区富士見2-2-2-203
sugiyama@s-pn.jp
http://www.s-pn.jp/
『世界史の中の長崎開港』担当編集部より
サブタイトルに「交易と世界宗教から日本史を見直す」とあるように、本書の構想は雄大です。
日本ではなじみの薄いイスラーム世界を含めた「世界史的」視野に立ち、日本社会の歴史的構造、とりわけ日本の国際関係のあり方を具体的に捉えなおします。そして、多くの「なぜ」に理論的かつ実証的に応えていきます。
たとえば、
・「世界」を席捲したイスラーム商人たちはなぜ日本に及ばなかったのか?
・ザビエルらはイスラームの東限をなぜ突破できたのか?
といった「なぜ」です。
著者は、その背景には、「肉の蘇り」を言うイスラーム教に対し、「霊魂不滅」を信奉する日本とヨーロッパキリスト教に共通する精神的な土壌があった、とするわけですが、日本人の宗教受容をめぐってイスラーム教、キリスト教、仏教(禅宗)の比較宗教論までが展開されています。
また「中国」との関係でいえば、なぜ中世日本は「冊封体制」の外に立てたのか? なぜ近世長崎では「唐人」は日本人と雑居していたのか? といった問題を解いていきます。さらに宗教と交易というテーマでは、なぜ宗教者・禅僧が貿易を担当できたのか? なぜイエズス会が南蛮貿易に関与したのか? という問題が論じられます。そうした問題意識の中で、「長崎」も取り上げられていきます。
まさにローカルでありながらグローバルな問題、また今日の日本の国際関係にも通ずるような問題を多数含む読み応え十分な1冊になっております。
『[自由訳]平賀源内作 「風流志道軒傳」』担当編集部より
「平賀源内」という名を知っている人は多いと思います。中年以上の方なら、昔のNHKドラマ『天下堂々』での山口崇のイメージが強いかと思いますが、その後いろいろな源内像が出回ってきました。「日本のダ・ビンチ」といわれるほどの天才という説があるかと思えば、彼の「発明」はみんなインチキ、稀代の詐欺師だともいわれることもあります。いずれにしても毀誉褒貶の激しい人物であることは、確からしく思われます。
この本はその当否をあげつらうものではありませんが、しかし、現状はあまりにイメージ先行ではないでしょうか。
これは、評伝は数が出ているものの、源内の書いたものを読んだことがある人が、さほど多くないことに由来するのではないかと思われます。なにしろ源内の著作は、岩波「古典文学大系」と中公「日本の名著」にあるくらいで、決して読みやすい状態であるとはいえません。
そこで、彼の代表作の現代語訳を試みた次第です。
源内はさまざまなジャンルの著作を残していますが、本作は源内が風來山人というペンネームで書いたもっとも有名な作品のひとつです。浄瑠璃等などに翻案されて広く知られることとなり、長い間読み継がれてきた江戸期のベストセラー作。庶民が旅することが困難だった時代に、日本全国だけでなく、巨人の国、小人の国、長脚国、愚医国、いかさま国などを経て、清国の後宮から最後には「女護が島」を巡ります。これが「日本版ガリバー旅行記」といわれるゆえんです。
『吉祥寺 横丁の逆襲』担当編集部より
ご存知のように吉祥寺は「住んでみたい街ナンバーワン」、「逆襲」というのは当たらないのでは、と思われるかもしれません。しかし、ここ数年で2つのデパートは撤退し、乗降客の伸び率もいまいち、立川など中央線のライバル都市の躍進も著しいといったこともあり、吉祥寺も安閑としてはいられない事情がいろいろあるようです。この街も「活性化」が求められているのです。
そこで本書は、この街の「横丁」に注目しました。北口駅前に位置し、いまなお戦後直後の雰囲気を残した「ハモニカ横丁」が元気だからです。そして吉祥寺という街の歴史的な成り立ちを振り返りながら、この街のいたる所にある横丁・路地を探索し、街の生態を探っていきます。
本書の特徴は、徹底した取材でこの作業を行なっているところにあります。
街の革命児、古の街の姿や事情を知る古老、人気店を取り仕切る店主……、数々のキーパーソンに会い、貴重な話を聞き出しています。こういった話は、テレビなどの街歩き番組はもちろん、雑誌・ムックなどでもなかなか得られるものではありません。ですから本書は、本当の名店を紹介したお店ガイドとして利用することもできます。
また、古地図や文献をひっくり返しながらの街歩きも楽しくはありますが、本書のような<生の話>を頭に入れた街歩きは、より楽しくなることは間違いありません。本書は、歴史的な街の形成についてもきちんと押さえ、貴重な古い写真も多数掲載していますから、薀蓄好きの街歩きファンのニーズに応えるものでもあります。
著者は長く外食産業の経営コンサルタントや商業ビルの企画開発などで活躍してきた人です。外食産業系のような専門書も書いていますが、バブル直前の六本木を活写した『六本木高感度ビジネス』も話題になりました。20数年ぶりの都市論になります。
『吉祥寺 横丁の逆襲』に、鈴木育男氏の写真作品集より多数掲載させていただきましたが、写真キャプションにつきまして、誤りがありましたので訂正し、深くお詫び申し上げます。
『消費税は「弱者」にやさしい!』担当編集部より
弊社刊、桜井良治著『消費税は「弱者」にやさしい!』は、一般的に考えられている消費税の「逆進性」(消費税は低所得層により多くの負担を強いる)について、その虚構のカラクリを暴いていきます。
帯文にもありますように、もちろん著者は政治的に中立です。
それを論証するデータは、国民の世帯を所得別に5つにわけた総務省の統計を用いています(2章43p)。また、本文「はしがき」16pでも触れていますが、「弱者」は主に「低所得者」の意味で使います。「低所得者」の区分はこの総務省の統計分類に従います。
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以下、ごく簡単に本書議論をまとめます。
★消費税は不公平ではない理由
①「逆進性」により不公平だという議論は、消費税の負担「額」と負担「率」を混同している。間違いなく高所得層のほうが消費税をより多く負担している。⇒2章43p円グラフ
※目の前に1000円+税50円の本があったとして、この税50円は、月収20万の人と月収50万の人を比べると、月収20万の人のほうが負担率は大きい。このように「逆進性」を説明する人がいる。しかし、この人の買い物は月に本1冊であるわけでない。だから、この例には意味がない。統計的にみれば、月収の高い人のほうが低い人に比べて、より多く消費するため消費税の負担額も多い。
また、月1万円消費税を負担すると仮定する。するとこの額は、月収20万の人と月収50万の人を比べると、月収20万の人のほうが負担率は大きい。このように「逆進性」を説明する人がいるかもしれない。しかし、これもまた実際の統計を無視している。収入が違っても、たまたま同じ額の消費税を負担することはあるだろう。しかし、統計を調べると、収入が多い人がより多く消費しているのは事実である。
「エンゲル係数」にも誤認がある。現在、その数値は所得各層ともほぼ20数%であり、ほとんど格差は見られない。⇒4章82p
②たしかに、低所得層のほうが負担率が高い、という「逆進性」を示すデータはある。しかし、その差は0.01%に満たないもので、どの層でもほぼ同じの負担率、ということができる。⇒3章
③それでは「垂直的公平性」にもとる、という見解があるかもしれない。しかし、②のデータは、事業者がすべて消費税を販売価格に転嫁できることを前提にしているが、実際は転嫁率100%ということはありえない。「逆進性」は転嫁率100%の場合にのみ成立する。消費税は消費者がすべて負担するのではなく、実質は企業と政府が負担している部分も多い。⇒6章
中小零細業者は転嫁できないで不利という考えがあるが、これは消費税だけの問題ではなく、価格決定における力関係の問題といえる。つまり消費税とは別問題。
④ミクロ経済学の「機会費用」の考えで消費行動を考えると、低所得層は低価格での買い物をするため、消費生活で有利。低所得層が消費額が少ないのはこの理由による。⇒5章
★その他本書の考え
※消費税額還付は、方便としてはいいが、本質的ではない。⇒7章
※複数税率は効果がない。処理が複雑になるので、「還付」のほうがよい。⇒7章
※消費税を上げ、社会保障を充実すべきである、という見解。政府の財政危機は問題。一刻も早い解決を。
※「逆進性」に特化した議論のため、税の直間比率についてはほとんど触れていない。
『失われざる1990年代』担当編集部より
書評をこれほど書き続けている物書きは、どれだけいるでしょうか
本書は『鷲田小彌太書評集成Ⅰ 甦る1980年代』の続編に当たります。今後は2010年までの集成でⅢ、特別編のⅣという4巻構成になる予定です。
ひとりの筆者の書評だけを集めてこれだけの分量になるというのは、それだけで何らかの意味や価値をもっています。集積以上の「何か」があるのです。
本はもちろん時代や環境に左右されない固有の世界をもっているわけですが、そこには微妙に時代の空気が混ざりこんだりしている場合があります。長い時間書評をしていれば、そうした空気を一緒に呼吸しているため、集められた書評には「時代の空気」が図らずも漂っていることがあるのです。
つまり本書は、本の批評を集めただけに止まらず、時代の「無意識」ともいうべきものにふれ、時代そのものを批評している側面をもっているのです。
「バブル」が弾け、湾岸戦争が勃発し、社会主義圏が崩壊した90年代前半。阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、金融システムの危機、グローバル化に揺れた90年代の半ば。激動というより、いまだに解決しない混迷が始まった時代でもあります。このへんの事情について、著者は「まえがき」で次のように言っています。
《九〇年を境にして多くの書き手の立ち位置が変わったことに気づかずにはおられない。時代の激変による。「反省」して「清貧」や「小主義」に立て籠もる人、居直って「財政出動」をはじめとする大判振る舞いを高唱する人がいた。》
《後に「失われた十年」といわれるようになった九〇年代は、わたしの目から見れば、新しい時代へ向かって産みの苦しみにある「変革する十年」と思えた。……時代を「変革」しようとする潮のなかに身をおこうとする一人の思考者の息づかいを感じてもらえば幸いである。》
簡単そうですが、本書のような試みは誰にでもできるわけではありません。
『茨城の逆襲』担当編集部より
7月に刊行した『青森の逆襲』も、おかげさまでご好評をいただいておりますが、今度の新刊は『茨城』です。
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今年の「県魅力度ランキング」でも、茨城県はまたも最下位という結果でした。この調査では、09年から3年連続です。たしかに、県名が「いばらき」であることを知らない人が多数存在する(本書の著者ですらそうで、編集担当は意識もしていませんでした)くらいですから、注目度があまり高くないことは間違いないでしょう。
しかし、それがどうした、というのが本書の立場です。
だいたい県についての「魅力度」などという曖昧なものに、一喜一憂すること自体ナンセンスなのです。調査会社の勝手な基準や都会の尺度など気にせず、独自の価値を追究すべきだ、というのが本書の主張です。
もっとも、茨城は「観光劣国」で宣伝が下手、とは本書の見解でもあります。とくに1章をご覧になるとおわかりになるかと思いますが、一般的な観光資源は多数あるのに、うまくアピールできていないうらみはあります。そのへんはもっと上手くやってほしくはありますが、著者がこれぞと推す事柄が、2~4章で展開されています。そして、「活性化」を担うキーパーソンが5章で紹介されます。
以上はかなり個性的な(偏った)セレクトだとは思いますが、その地域の「活性化」はお仕着せで成り立つわけがありません。そこに住まう方が、ご自分で「いいところ」を見つけるしか方法はないのだと思います。本書はその発見のヒント、発想法のヒントになる、と確信しております。
『ラグビーの逆襲』担当編集部より
著者の木部克彦は、昨年『群馬の逆襲』『高知の逆襲』を著して評判を呼び、独自の地域活性化の方法を提起しました。今年は「ラグビー」の活性化を図ろうということでございます。
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ラグビーはすっかりマイナースポーツになってしまいました。
現在、ラグビーのワールドシリーズの真っ只中でございますが、正直申して、日本がどういう成績を残そうが、このスポーツの立ち位置が劇的に変わるとは思えないような状況だと思われます。
そもそもラグビー人気の凋落の原因として、日本代表が世界のトップに通用しないことがあったことは否めません。本書もそのように述べております。ですから、ラグビー人気の復活には日本代表の強化が必要であることは間違いないでしょう。
かつて、サッカー日本代表の強化策をいろいろな評論家が競って発表していたことがありました。そのような議論もあってしかるべきでしょうが、本書はあえてそういう発想をとりません。
ラグビーを見て楽しむ「敷居」を低くして、もっともっと(見るだけの)ファンを増やし、ラグビーの楽しさを伝えましょうという考え方です。ラグビーにはどこか「気難しい」ところがあって、それがファンの育成を阻んでいたのではないでしょうか。見るべきポイント、楽しめるポイントは、勝敗以外に多々あります。
スタンドやテレビで観戦する「ファン」の立場からの、笑える「ぼやき」、切実な「悩み」、観客としてのひたむきな「要望」をふんだんに盛り込みました。これが本書の特徴になります。
そして、そのように考えていくと、ルールの改訂までを含めた改善のポイントが見えてきました。それを述べたのが最終章です。この考えは間違いなく“お堅い”ラグビー協会さんにはないものだと思います。なので、帯では「ラグビー協会非公認」を謳ってみました。人気回復の意欲は協会に負けません、という意味でもあります。
9月27日の毎日新聞夕刊
【読書日和】★話題です★のコーナーに
『こころを支える「東北」の言葉』が紹介されました
【盛岡在住の著者が、東日本大震災で被災した人たちへの共感を、さまざまな人の言葉から選び、「よりそう」「いのる」など7つのキーワードでまとめた。言葉の豊かさに癒される。】
と紹介されています。
半導体産業新聞の「書評」コーナーに
『「ザインエレクトロニクス」最強ベンチャー論』が掲載されました
【国内市場が縮小するなか、世界に挑むうえで、日本の経営者は何をすべきなのか。
何かしらのヒントを提供してくれる1冊】
8月13日の陸奥新報、文化欄の「書評」コーナーに
『青森の逆襲』が取り上げられました
それぞれの「逆襲」を開始せよ
【青森県についての概説ではなく、著者自身の人生を重ね合わせた「私説青森県」ともいうべき内容で、エピソードのひとつひとつに妙な説得力があり思わず引き込まれる】
【著者の「集団就職列車」見送りの思い出や演劇映画の紹介などからさまざまに語られる青森県の歴史、自然、伝説、文化の語り口から愛情が伝わってくる】
【あくまで福井氏の個人的な「青森論」……それが面白さの所以】
と紹介されています。全文はこちらをご覧ください。
プロローグ「ないないづくしの青森」で「ディズニーランド家族旅行が人生の一大事業」である青森県の不便さを嘆き、
続く「わが哀しき故郷、青森」で始まる第1幕では、「集団就職列車」見送りの思い出から、井沢八郎、永山則夫、さらに寺山修二と自身の接点に言及しています。
そして、
津軽と南部の対立、義経伝説、「ごたく」文化、縄文遺跡、白神山地、「地域おこし」の「田舎館村田んぼアート」「横浜町菜の花フェスティバル」「地吹雪ツアー」などから、
終盤、「三沢」のキーワードから寺山修二と沢田教一や、美術家奈良美智と映画監督五十嵐匠の「ライヴァル物語」といった著者の私説が語られています。
それぞれの思いで、著者の個人的な青森論を楽しんでみてください。
8月11日の東奥日報、文化欄の「書評」コーナーに
『青森の逆襲』が取り上げられました
【青森県を理解するため、イメージするための情報が満載。なかでも、「青森=落人隠里」説や、寺山修二と澤田教一の隠れたライバル関係も興味深い。】
【新たなエンターテイナーの誕生を喜びたい】と紹介されています。
8月18日の夕刊フジ
BOOK Guide のコーナーに『青森の逆襲』が紹介されました
逆境を笑い、楽しむ生き方は
必ずや東北の復興につながります!
『こころを支える「東北」の言葉』担当編集部より
「言葉の力」を信じたいと思います
弊社の8月の新刊
宝泉薫著『こころを支える「東北」の言葉』をお届けします。
著者の宝泉薫は、80年代から歌謡曲-Jポップ批評を展開し、芸能についてゴシップや単なる感想ではない本格的な批評活動を展開しています。90年代の終わり、「一発屋」という言葉がまださほど人口に膾炙していなかったころ、『歌謡界「一発屋」伝説』『芸能界「一発屋」外伝』(いずれも彩流社刊)などを刊行し、メインストリームからは見落とされがちな存在に光を当てるユニークな書き手として注目されてきました。
2005年からは、奥さんの実家がある岩手県盛岡市に移住し、地方に住むことの楽しさを満喫しながら、表現活動を続けていたところに、今回の震災です。
宝泉氏はメディアが流す言葉に大きな違和感を覚えました。安易な励ましや押し付けがましい善意ではなく、言葉で生きる人間として腑に落ちる表現を探し続けました。その結果がこの本です。
《気がつくと「がんばろう」に代わる言葉を探している自分がいました。そして、その作業を通じ、言葉の魅力、とりわけ「東北」の言葉の豊かさに改めて気づくことができたのです。》(「前書きにかえて」より)
危機にこそ本当の知恵は生まれるのだと思います。本書は、危機に際しての知恵・言葉を「わらう」「よりそう」「みつめる」「つたえる」「うたう」「いのる」「よみがえる」という7つのキーワードで構成しています。
ここに集められた、東北出身者のこころに響く名言、今回の大震災・原発事故に対する鋭い見解、これまでの震災についての叡智……は、危機を生き抜く本物の知恵、“がんばろう”を超えるよりどころである、と考えられないでしょうか。
『家事塾BOOKS vol.2 家づくりに「家事セラピー」を』
担当編集部より
『家事塾BOOKS vol.1』は彩流社刊でしたが、この号から弊社が発行することになりました。
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監修者で「家事塾」の代表である辰巳渚は、精力的に「家事」に関する活動を展開中です。最近も『「片づけなくてもいい!」技術』(宝島新書)を上梓し、「断捨離」ブームとは一味違う視点を提供しています。もともと「捨てる!」技術は辰巳が“本家”ですし、「家事」じたいを見直し、「家のコトは生きるコト」を理念として家事塾を運営しているのですから、当の本人の「気づき」を重視した深みのある論になるのは当然です。
さて、この「家事塾BOOKS」では、そうした理念のもとに展開される家事塾の活動をより具体的に、できるだけビジュアルに見せていきたいと考えて刊行しております。
このvol.2では、「家事セラピー」を加えて新しい家をつくるとどのような家ができるか(「新築セラピー」)、また普段の暮らしに「家事セラピー」を取り入れると生活はどういうふうに変わるか(「片づけセラピー」「リフォーム家事セラピー」など)、という素朴な疑問に応える本になっています。カラー写真・図版を多く掲載しましたので、実例を読み込んでいくと、自分の生活への「活用」法がみえてくるのではないでしょうか。
《家を建てる人、部屋を片づける人が「そうそう、私はこうしたかったんだ!」と自分を発見すること》、そこに導くのが「家事セラピー」の目的(本文77頁)ですが、本書もその「発見」のきっかけになるようにできています。
『小笠原で暮らしたい!』担当編集部より
弊社の8月の新刊 川口正志著『小笠原で暮らしたい!』
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世界遺産登録で、俄然注目を集める小笠原諸島ですが、定年後は島でのんびり暮らしたい人が増えているといわれており、ますます注目度が高くなっています。
ただ、その父島・母島ではどのような生活が営まれているのでしょうか。これは案外伝えられていないかもしれません。飛行場はなく、東京から船で25時間ほどかかることは、さすがに知られるようになりましたが、重要なのは住む家や職などの現実的な問題のはずです。その意味で、実際に小笠原に移住した人に実生活についての取材した本書の内容は、貴重な情報となるでしょう。“憧れ”を現実にするうえで、役に立つ本です。
こういう視点でまとめられた本はさほど多くはないと思います。
8月7日の北海道新聞「ほっかいどうの本」欄に
『甦る1980年代』
鷲田小彌太書評集成Ⅰ [1983-1990年代]が
大きく紹介されました。
【明快にして痛快。それでいて含蓄が深い】
【文章が若くパワフル】な鷲田小彌太氏の哲学・倫理学のほか文芸評論、昭和思想史、人生論など
【80年代の読書空間がコンパクトに鳥瞰できる】書評の紹介です。
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★ページをめくると1980年代が甦る★読書はもっとも安価な(時間)旅行である★圧倒的迫力の400ページ★
『青森の逆襲』につきまして、誤りがありましたので訂正し、お詫び申し上げます。
『青森の逆襲』担当編集より
地域の「逆襲」シリーズは言視舎から刊行いたします
福井次郎著『青森の逆襲』をお届けします。
『群馬の逆襲』『高知の逆襲』『北海道の逆襲』と続けて刊行(いずれも彩流社刊)し、当該地域でご好評をいただいてまいりました本シリーズですが、これまでも実質的に発行元でありました弊社・言視舎が独自の取次口座を取得したことにともない、本書から「言視舎刊」というかちで刊行することになりました。これからも「地域」にいい意味でこだわった企画を出してまいりますので、ご注目いただければ幸いです。
さて、青森です。大震災以後、東北の地方について考えることは、日本という社会の行く先を考えることと同義になりました。青森という土地が歴史的に(とくに近代以降)置かれてきたポジションは、決して良好なものではありません。ひとことで青森イメージをいうと「最果て」ということになるでしょう。つまり、その北に北海道があるにもかかわらず、竜飛岬は「北のはずれ」と歌われるのです(@「津軽海峡冬景色」)。こうしたことについての例証は枚挙の暇がありません(本書「第1幕」参照)。
では、青森はこの事態に甘んじ、ずっと暗い生活を営んできたのでしょうか。もちろんそんなわけはありません。
「たしかに青森はさまざまな意味でおくれている。しかしおくれているからこそ残った良さ、そしておくれたからこそ描ける未来への展望、そうしたものがあるのではないか」(本書「エピローグ」より)ということです。「おくれている」という逆境を笑い飛ばし、たとえば豊かな自然と文化を楽しんで生きてきた力が、青森にはあるのです。そして、この逆境を笑い楽しむ生き方・姿勢こそ、必ずや東北の復興につながるということができるのではないでしょうか。
本気で、一極集中の危うさを検討しなければならなくなった現在、地方に住む誇りと楽しさを具体的に語ることは、ひじょうに重要なことだと思います。この意味でも本書は、時期にかなった1冊だと考えます。
『「ザインエレクトロニクス」最強ベンチャー論』担当編集より
「ベンチャー」にはピンチをチャンスに変える発想法がある
本書は半導体系ベンチャー企業としてトップを行く「ザインエレクトロニクス」のCEOである飯塚哲哉氏に加え、東工大大学院教授でイノベーションやアジアのビジネスを講ずる田辺孝二氏と、本書「理科少年シリーズ」のプロデューサーで事業化コンサルタントでもある出川通氏が、ベンチャーをはじめとして強い組織・人材とは何か、日本のビジネス環境はどこが問題なのかを討議したものです。
飯塚氏は、
「起業とか、ベンチャーというものが、ハングリー精神のみに依存しているような国は途上国です。国が豊かになっているのに、ベンチャーが発生しないのだったらそれも劣等国です。皆が安定した地位としての職場のみを求める国はいずれ競争力を失う。もっと高いものがあるのです。……最も素晴らしい働き方を提供するのが、ベンチャーなのだということをわかってもらいたい」
と述べています。
つまり、単なるハングリー精神では起業はできないし、ベンチャーがなかなか成功できない現在日本のビジネス環境には、改善すべきところが山ほどあるということです。そして本書では、3人の討議なかから問題の指摘にとどまらない、どうすればいいかという提言を次々に発信していきます。
大震災により、これまで蓄積されてきた日本の問題点は、よりはっきりしてきたということもできます。この意味でピンチはチャンスに変わる契機を含んでいます。このとき、著者3人のブレのない姿勢・考え方は、日本技術や経済社会についての確固たる方針の提示になっています。
7月3日の朝日新聞「読書」面に
『編集者=小川哲生の本 わたしはこんな本を作ってきた』が紹介されました。
90年代以降、手がけた本が出るたびに自身で書いたプレスリリース265点をまとめた本!
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【1970年代以降の人文知における、一つの潮流を作ってきたのが、この人が編集した本だと言ってもいい……
編集者の情熱が伝わるだけでなく、一つの思想地図としても読める】
と紹介されています。
出版情報には言視舎の本の広告が6点載っております。
6月16日の「新文化」に言視舎が紹介されました。
小川哲生著/村瀬学編
『編集者=小川哲生の本 わたしはこんな本を作ってきた』
担当編集より
この本は、伝説の人文書系編集者小川哲生が、自らが編集した、吉本隆明、渡辺京二、村瀬学、石牟礼道子、田川建三、清水眞砂子、小浜逸郎、勢古浩爾らの著書265冊の1冊1冊に添えた「解説」を集成したものです。つまり、このようなプレス・リリースが20数年分あって、それを1冊にまとめたものというわけです。一般の読者にとっては未公開、いわば幻の「解説」文ですが、集めてみるとご覧のように立派な「ブックガイド」になっていました。
去年の3月に私家版として製作されましたが、ある新聞で「これはひとつの思想的事件というものだ」と評されたのが評判を呼び、それでは市販版を作りましょう、ということになった次第です。
市販版には、付録として「編集者小川哲生」論12ページがつきます。執筆は、渡辺京二、勢古浩爾、田川建三、河谷史夫、清水眞砂子、小浜逸郎、佐藤幹夫の皆さんで、小川さんらしいエピソードにあふれていています。
出版(業界)はどうなってしまうのだろうとは、この仕事をする誰もが抱く根源的な不安、といっていいでしょうが、この本の掲載されている本をつらつら眺めていると、なんとなくこれでいいのだ、とうなずいてしまう、そういう説得力があります。「背文字は本文ほどにものを言う」ということなのでしょう。
新しい版元である弊社は、いろいろなレベルで何かを書きたい・作りたいという動機をサポートする本をつくっていきたいと考えております。本書もその一環です。
なお、弊社では編集者・小川哲生との共同作業を続けていく所存です。ご注目いただければ幸いです。
片岡義博著
『うまく書きたいあなたのための文章のそうじ術』
担当編集より
パソコン、携帯が日常化することによって、文章を書く機会は間違いなく増えてきました。企画書・計画書といった公的な文章からメールやブログ等の私的な文章まで、書く必要に迫られたとき「もう少しうまく書けないものか」と多くの人が思うはずです。その思いに応えたいというのが本書の狙いです。
多くの類書があることは承知しております。本書は文章の不要な部分を「捨てる」テクニックを中心に据え、解説を展開していきます。少し注意して考えてみると、なんとなく書いた文章には、驚くほど「無駄・邪魔」があふれています。それを徹底して削除すれば、伝えたいことが「最短距離」で伝わるのです。この「捨てる」力こそ「書く力」といえるのではないでしょうか。その方法論が「そうじ術」なのです。
では、どういう表現が「無駄・邪魔」なのでしょう。1、2章をご覧ください。具体的に説明しております。注意深くご覧ください。自分は書ける、という自信がある方でも、「あっ」と思う発見があると思います。
さらに本書では、類書ではそれほど触れられていない「要約」する技術について、多くのページを割いています。レポート・小論文を書くときに不可欠の技術ですね。これは同時に、書くことの根底にある「読む」力を向上させるはずです。
著者は元共同通信社の記者、現在はフリーの物書きで、本書で解説したテクニックは日々の実践のなかで培った知恵というべきものです。なんとなくわかっているワザを、だれにでもわかるように説明することは実は難しい作業だと思います。それをいとも簡単そうにやってしまったのが本書です。
